ここ数年毎年、後継樹繁殖のご依頼をいただいております。
来春も接ぎ木繁殖する予定で、今の時点で2件ほどご相談をいただいております。
大抵は造園会社さんからのご依頼で、お庭の工事で伐採しなければならなくなった既存樹の子孫を何とか残したいというお施主様からのご要望によるものです。
その他は、樹勢が弱くなってきたので、枯れてしまう前に後継樹を残しておきたいという理由や、特別な記念樹を移植する際に、枯れてしまった時の保証として後継樹を作っておきたいといったご要望もありました。
樹種は圧倒的にソメイヨシノが多いのですが、その他にサトザクラ、ハクモクレン、ケヤキ、カキなどもありました。

数年前のご要望では、お祖母様が植えて大事に育ててきたソメイヨシノを家の増築で伐らなければならなくなってしまったので、後継樹をつくり、工事後にお庭の別の場所に再度植栽したいとのことでした。
この時は10本ほど納品させていただいたのですが、お庭に植えた以外のものは、その家から嫁いでいった娘さん達が、嫁ぎ先に持ち帰ってそれぞれのお庭に植えられたそうです。
お祖母様のサクラを家族みんなで分け合うことができたと、とても喜んでいらっしゃいました。

永い間愛でてきた大切な植木をやむを得ない事情とは言え、伐採してしまうのは忍びないと思われる方が多いようです。
そのような時は是非とも挿し木や接ぎ木で後継樹(クローン)を作り、大切に育ててきた樹木の命を引き継いでいっていただきたいと思います。
切り接ぎと芽接ぎの芽だし左側の2本は冬期のご依頼だったので「切り接ぎ」で、右側の2本は夏期だったので「芽接ぎ」で作った後継樹です。
接ぎ木には適期があって、また樹種や時期でその方法も変わってきます。
伐採工事の時期によって不適期になってしまう場合は、事前に穂木を採取して冷蔵庫で長期保存してから接ぐということもあります。