フイリトベラ(斑入りトベラ)
フイリトベラ(Pittosporum tobira‘Variegatam’)がハウス内で開花しました!
葉に白い斑が入っているところに白い花が咲くのであまり目立ちませんが、よく見るととても可愛らしい花なのです。
芳香もあります。
フイリトベラには数種類あって、「樹木大図説」(上原敬二著、有明書房)には7種類の品種が掲載されています。(多分いくつかは無くなっていると思います。今までに2タイプしか見たことがありません。)
私のところでは白覆輪の品種を育てていますが、とても綺麗です。
普通種の葉の色は黄緑色に近いのですが、この斑入り品種の緑色の部分は青みがかっていて、爽やかな雰囲気を醸し出してくれます。
ブルー系の葉の色を持つ“広葉樹”はあまり多くないので、貴重な品種です。(針葉樹のブルー系は結構あります)
寄せ植えに使用すると植栽に変化を付けられるので、とても重宝します。
病気などはほとんどなく育てやすいのですが、難点はハマキムシが付きやすいことです。
ハマキムシは主に夜間に活動して葉裏に卵を産みつけていきます。
孵化した幼虫は、口から糸を吐き出して葉を糸で綴り合わせて、その中に潜みます。
そして葉を食べ続けてぼろぼろにしてしまいます。
こうなるととても汚くなって、鑑賞価値が落ちてしまいます。
見つけ次第つぶして退治するか、予防的に残効性のある殺虫剤を散布したりして対処します。
繁殖は挿し木で、よく発根します。
毎年たくさん作っていて、大きいものは8号ポット(24㎝ポット)で育てていて、とても見応えのある株になっています!
因みに、トベラの和名の由来には諸説あるようですが、以下のことから名付けられたようです。
「節分にこの木の枝を扉に挿し、鬼を追い払う魔除けとしたことから、扉の木とよばれ、それがなまって和名がついたといわれている。
節分に、ヒイラギやアリドオシなど棘のある植物を、イワシの頭とともに戸口に挿す風習をもつ地方が多いが、これは棘とイワシのにおいを魔除けにするものである。
トベラに棘はないが、枝や皮、とくに根の皮に悪臭があるため、鬼を追い払うことができると言い伝えられている。」(出典:「日本野生植物館」編著/奥田重俊、小学館)