ツマグロヒョウモンと地球温暖化
最近、圃場内(茨城県つくばみらい市)でツマグロヒョウモンを頻繁に見掛けます。
このチョウはタテハチョウの仲間のヒョウモンチョウ属に分類される一種で、名前の通り豹(ヒョウ)の毛並みに似た斑紋を持っている一群に含まれています。
ツマグロヒョウモンは、もともと南方系のチョウで西南日本に生息していて、古い図鑑などには“中部以南に生息している”と書かれてあります。
ところが、幼虫の食草がスミレ類で、園芸植物のパンジーなども食べることから、それらの植物にまぎれて各地に広がって、北国では冬越しできずに死んでしまいますが、温暖化の影響を受けて、関東北部あたりまでほぼ定着して普通種になりつつあるそうです。
圃場内にもたくさんのスミレの仲間が雑草に混じって生育しているので、それらを食べて生息しているのだと思います。
写真(上)の個体は、おそらく鳥に襲われて羽が傷んだのだと思いますが、飛翔力が落ちたためか、珍しくじっと葉の上に留まってくれていたので写真を撮ることができました。
普通は常にゆらゆらと飛び回って落ち着いて留まることがないので、なかなか撮影できません。
私の住んでいる埼玉県三郷市では、数年前から当たり前にクマゼミの鳴き声を聞くようになりました。
最近、地球温暖化のニュースをあまり耳にしないような気がしますが、これら生物を指標に確実に温暖化が進んでいることを思い知らされます。
・ツマグロヒョウモン(♀)
・風の強い日にゴンズイの枝に留まって休むツマグロヒョウモン(♀)