好きな植物の一つに、ガマズミの仲間のハクサンボク(Viburnum japonicum)があります。
常緑のガマズミです。
自生地は、伊豆半島、伊豆諸島、小笠原諸島と愛知県、山口県、九州、琉球諸島で、それぞれ隔離分布しています。(「週間朝日百科 植物の世界」より)
私がはじめてこの植物と出会ったのは九州で、現地の人は“ヤマテラシ”と呼んでいました。
光沢のある葉が、山の中で陽の光を受けて照る様子を見立てて、こう呼ぶようになったのでしょう。
このハクサンボクの蕾がハウス内で大きくなってきて、チラホラと咲き始めました。
春先3~4月に咲く白い花は、濃緑色の常緑の葉を背景にとても目立って綺麗です。
ハクサンボク圃場では、九州から取り寄せた個体に実った種子を発芽させて育てている実生苗と、千葉県袖ケ浦市内の雑木林の林縁に生えていた個体から挿し木繁殖した苗の2タイプを育てています。
袖ケ浦市のハクサンボクは、たまたま仕事で訪れた時に偶然発見したもので、仕事先の敷地内にあったので、枝をいただいて挿し木したものです。

このうち、九州産の実生苗は、春、新しい芽が動き始めると、枝先にアブラムシがビッシリと集り、そのまま放っておくとスス病が発生して汚くなってしまいます。
ところが、千葉で採取した枝で挿し木繁殖した苗には、ほとんどアブラムシが付かないのです!
“こういうことがあるから、地域性種苗を利用するということは大事なのだ!”と再確認したのです。
そこで、ハクサンボクの千葉県内での自生の状況について調べてみると、千葉県内には自生の記録がないのです!
間違いなく、袖ケ浦市内の雑木林の林縁に生えていたので、そんなはずはないと思って、千葉県立中央博物館に発見場所もお伝えして問い合わせたところ、やはり千葉県内に自生の記録はなく、おそらく逸出した個体ではないか、との回答でした。
親木の詳細な来歴は解明できませんでしたが、明らかに九州産のものと虫の付き方が異なるのです。
現在はこの袖ケ浦市内からの挿し苗に力を入れて育てているところで、60~70㎝の格好のよい株立ちになってきました!
秋には赤い綺麗な実もたくさん付けてくれます!
ハクサンボク(果実)背が高くなるというより、株立ち状になってボリュームを増していくといった育ち方をするので、管理の手間も掛からずとても育てやすいと思います。
魅力的な常緑のガマズミで、超お薦めです!(4月から販売予定!)

親木があるだけでまだ繁殖に取り掛かっていませんが、斑入り品種もなかなか魅力的で、「改訂版 新樹種ガイドブック」(編集/社団法人 日本植木協会)の中では、“数ある日本産樹木の斑入り品種の中でも、最も美しい品種の一つ。輝きのある斑入葉が特に美しい。”と紹介されています。
ハクサンボク‘斑入り’・斑入り品種:繁殖をスタートさせます!

因みに、和名のハクサンボク(白山木)は、加賀(石川県)白山に産するという誤認に基づく、とのことです。(「牧野 新日本植物図鑑」(北隆館)より)

※関連ブログ:「ハクサンボクの果実