静岡県富士宮市に斑入り植物を専門に生産しているSさんという方がいらっしゃいます。
この方の接ぎ木方法は独特で、独自に試行錯誤・研究を重ねた結果、辿り着いた方法のようです。
特に、秋に行う接ぎ木を主体としていて、難しい品種でも高い活着率を誇っています。
そのSさんから秋の接ぎ木についてご教授いただけるとのことで、今週(2016/9/26)訪ねて来ました!
Sさんと懇意にされているヤマシタナーセリー山下信夫氏(ヤマボウシ‘紅富士’作出者)のお取りはからいで実現しました。
佐野さん圃場・Sさんの圃場の様子

最初にお話してくださったのは接ぎ木ナイフのことで、切れ味鋭く研ぎ上げ、常にその状態を維持することの重要性を強調されていました。
ナイフの研ぎ方、砥石の矯正の仕方を丁寧に披露してくださいました。
接ぎ木の基本であり、とても重要なことです。
熟練者ほど疎かにしません。

秋の接ぎ木の基本は、「腹接ぎ」でした。(「モミジの接ぎ木」と同じです!)
この時期の接ぎ木の一般的な方法は「芽接ぎ」で、専らその方法で行っていたので、少し驚きました。(以下、デモンストレーションで見せてくださった様子の写真)
秋の腹接ぎ 秋の腹接ぎ 秋の腹接ぎそして穂木の結束は接ぎ木テープではなく、絶縁テープを使用しています。
絶縁テープでの結束方法とその利点についても詳しく教えていただきました。(特に太い枝に接ぐ時に効果絶大!)
テープの色は数種類を使い分けていらっしゃるようでしたので、その点について伺うと、基本は品種の違いを認識することが目的とのことです。
黄・緑・赤の三つの色が良くて、色の顔料が柔らかいことがその理由だそうです。
黒は熱を持ってしまうため不可、とのことです。
テープの色の素材とその特徴まで調べて使い分けていることには恐れ入りました。秋の腹接ぎ 秋の腹接ぎ 秋の腹接ぎ

接ぎ木の難易は、樹種・品種によってそれぞれ異なっていて、特に難しい品種の接ぎ木方法を解明するために、考えられる方法を一つ一つ試して、長年に渡ってその結果をデータとして詳細に記録・蓄積してきたとのことです。(その日のデータの記録を付け終わるまで、お酒は飲まないそうです!)
そして、様々な品種の活着率を高めるためのポイントを惜しげも無く教えてくださいました!
とりわけ印象的だったのが、日照条件が活着率に大きく影響するということで、樹種毎に適した日照条件下で管理しているそうです。
フイリアカバナミツマタ・フイリアカバナミツマタ

フイリセンダン・フイリセンダン

Sさんの接ぎ木に対する姿勢や取り組み方、大事にしていること、こだわり、などたくさんの刺激をいただきました。
私も益々精進したいと改めて心に誓って帰路に着きました。
素晴らしい一日でした。