在来種のギャラリーにサンショウの写真を追加!

在来種のギャラリーにサンショウ(Zanthoxylum piperitum)の写真を追加しました!
写真は実生繁殖した苗で、ここ2年ほど続けて種を播いて育てています。
サンショウサンショウはミカン科サンショウ属の落葉低木で、北海道から九州の山地に分布し、朝鮮半島南部にも見られ、低地から山地の湿った林内に自生しています。
雌雄異株で雌木には果実がなります。
枝には鋭い棘が2本ずつ対生に付きます。
よく似たイヌザンショウは、棘が互生につくので簡単に見分けられます。
サンショウ葉と果実には独特の芳香と辛みがあって、新芽と若い葉は「木の芽」と呼ばれ、香りが強く、吸い口や和え物などに用いられます。
雄花は「花山椒」、雌花は若い果実を「実山椒」といって、主に佃煮にして食べます。
成熟した果実から種子を除いて粉末にしたのが、焼き鳥やウナギの蒲焼きに利用される「粉山椒」です。
材は黄色で美しく、強靱で堅く、香りがよいので、片手で握りやすい太さの幹枝を一部分皮付きとして、すりこぎ棒に使われます。
サンショウサンショウはアゲハチョウの幼虫の食草で、よくアゲハチョウがやってきて産卵し、気が付かないうちに、たくさんの葉が食害されているということがよくあります。
なお、棘の無い実のなる雌木(実山椒)をアサクラザンショウと言って、接ぎ木繁殖して栽培されていますが、これは兵庫県養父市八鹿町朝倉地区の原産です。
因みに、属名のZanthoxylumは、黄色い材という意味で、種小名のpiperitumは、コショウのような辛みのあるという意味です。

※参考、引用文献:
「樹木大図説」上原敬二著、有明書房
「週間 朝日百科 植物の世界」朝日新聞社
「植物学名大辞典」万谷幸男編、植物学名大辞典刊行会