シロバナアケビ(白花アケビ)

ハウスの中に置いてあるシロバナアケビ(Alebia quinata var.leucantha)が開花しました!
可憐でとても可愛らしい花です! (注:花には3枚のがく片があるが、花弁はない)
シロバナアケビシロバナアケビ普通種の薄紫色の花に比べて、清楚な感じがします。
おそらく突然変異種が自然界から見いだされて、無性繁殖によって引き継がれてきたのだと思います。

アケビは雌雄同株で一つの株に雄花と雌花の両方を咲かせますが、自家不和合性(不結実性)で他の株から花粉が運ばれてこないと結実しません。(吸蜜にくる昆虫によって花粉が運ばれます)
そのため、実を楽しみたい場合は二株以上植える必要があって、確実な方法としてアケビとミツバアケビの混植が勧められています。
シロバナアケビ・左が「雄花」で右が「雌花」

また、アケビもミツバアケビも果実を食べるだけでなく、若芽も果皮も山菜として、その独特の苦い味が好まれています。(「週間朝日百科 植物の世界」より)

因みに、下の写真が普通種の薄紫色のアケビの花です。アケビの花

なお、アケビ属には次の3種があります。(細かな品種は除く)

アケビ
Akebia quinata
生け垣や里山の林縁に普通に生える。
葉は掌状複葉で、小葉は5枚。鋸歯はなく先が少しへこむ。
果実は8~12㎝で、紫色を帯びる。
ミツバアケビ
A.trifoliata
アケビよりやや北方に及び、少し深い山に生える。
小葉は普通3枚。数個の鈍鋸歯があるのが特徴。
果実は長さ10㎝を超え、熟すと濃紅紫色を帯びる。
ツルが丈夫で折れにくいので、アケビ細工の材料として使われる。(籠などの細工物にはアケビではなく、ミツバアケビのツルを使用)
ゴヨウアケビ
A.×pentaphylla
アケビとミツバアケビの自然交雑種と言われ、山野にまれに自生する。
小葉は5枚だが、アケビの小葉には鋸歯がなく滑らかなのに対し、波状の鋸歯がある。
花は紫色が濃い。

参考、引用文献:「週間朝日百科 植物の世界」朝日新聞社、「日本野生植物館」奥田重俊 編著