今年もサクラの季節がやってきました!
東京では平年より3日早く3/23に開花宣言されました。
これから一週間ほどはサクラのお花見で賑わうことでしょう。
ソメイヨシノソメイヨシノ一方、戦後大量に植栽されたソメイヨシノが樹齢60歳を超え、病気に罹ったり、老衰したりしてきて、植え替えの必要があるといったニュースも耳にするようになってきました。
ソメイヨシノは短命で寿命60年程度と言われ、これから各地で植え替え更新の問題がクローズアップされてくると思います。

しかし、ソメイヨシノは本当に短命な品種なのでしょうか?
小石川植物園や弘前公園には樹齢120~130年を超えるソメイヨシノがあります。
植木生産者の立場からすると、寿命が短いのではなく、挿し木繁殖した短命なアオハダザクラ(マザクラ)を台木に使用しているからだと思えてなりません。
ソメイヨシノソメイヨシノはご存知の通り100%接ぎ木繁殖したクローンです。
そしてソメイヨシノの台木には、ほとんどアオハダザクラの挿し苗が使用されています。
戦後全国各地に植栽されて現在樹齢60歳を超えているソメイヨシノのほぼ100%がアオハダザクラの挿し苗に接がれていると思って間違いありません。
普通サクラの仲間はごく限られた種類しか挿し木繁殖できませんが、アオハダザクラは極めて活着率が高く、成長も早いのです。
挿し木して畑で育てると、一年で高さ1m以上に伸びます。
これを台木に使用するのですが、とりわけ特徴的なのが、根の出ていない棒状の幹にも接ぎ木できるということです。
具体的には、幹を長さ13~15cmの棒状にカットし、それに接ぎ木し、そしてその接ぎ木した幹をさらに畑に挿すのです。
いわば接ぎ木と挿し木を同時に行ってしまうのです。
こうすることによって、一年で育ったアオハダザクラの挿し苗から、だいたい5~6本の接ぎ苗の生産が可能になります。
実生苗を台木にすると、台木1本から1本のソメイヨシノしか作れません。
アオハダザクラの挿し苗を台木に使用することによって、実生苗を使った場合と比較して数倍も効率よく繁殖できるのです。
台木に何を使用するかを問われることはありませんので、生産者は当然、効率的な方法を選択します。
しかし、この繁殖方法こそが、ソメイヨシノ短命説の根本原因だと思うのです。
ソメイヨシノ実際、上原敬二博士は、著書「樹木大図説」(Ⅱ巻、p33)の中で次のように指摘しています。(サクラ類の増殖の項)

「挿木-中略~最も多く挿しているのは里桜の品種マザクラである。これは青芽またはダイザクラと呼び活着率極めてよく、また生育も著しく早い。~中略~翌年は高さ1mにも伸びる。これを台木として接ぐのである。サクラの種類によっては短命であったり、老衰しやすいのはこの挿木を台木として用いているからで生産技術の上から最も安易な方法だが自家用苗を作る場合にはマザクラは適当しない場合が多い。これを台木とすると切接の時切り捨てた穂先が再び挿穂に利用されるという二重の利点がある。

接木-多くの業者はマザクラの挿木ものを台木として接ぐからその苗は早く開花し、容易に苗が出来て資金の回収も早いがこの問題は大に考究の余地がある。~以下略」

樹齢100年を超す長寿のソメイヨシノは、きっと台木にアオハダザクラは使用されておらず、ヤマザクラかエドヒガンかオオシマザクラの実生苗に接がれていると思います。
このことは検証されていないので、是非とも調査していただきたいとずっと思っています。

今後、植え替えを予定していて、健康で丈夫で長寿のソメイヨシノに替えたいと思われるようでしたら、「植え替え更新計画」とリンクさせて、実生台木に接ぎ木して作るソメイヨシノの生産委託を行うことが重要だと思います。
今でもソメイヨシノは普通にアオハダザクラに接がれていて、実生苗を台木に生産されていませんので。
ソメイヨシノソメイヨシノ※関連ブログ:「サクラ並木(ソメイヨシノの街路樹)の更新について