オトコヨウゾメ(Viburnum phlebotrichum)は、山野の日当たりのよい場所に生えるガマズミの仲間で、高さ1~2mになる落葉低木です。
コバノガマズミによく似ていますが、枝葉に毛がなく、鋸歯が大きく粗いことで区別できます。
葉は乾燥すると真っ黒になりますが、これは他のガマズミの仲間でほとんど見られない特徴です(標本を作ると黒い葉になります)。
本州、四国、九州に分布し、日本海側には見られません。
果実は9~10月に赤く熟し、光沢があってとても綺麗です!

このオトコヨウゾメで黄色い実をつけるのが、キミノオトコヨウゾメ(f.xanthocarpum)です。
文献には名前は載っていますが、写真も実物も見たことがありませんでした。
ところが今回「第一回 花木よろずサミット」で実物を見ることができました!
とても可愛らしい黄色い実で、一目見てすっかり気に入ってしまいました!
キミノオトコヨウゾメこの個体は山口清重氏の奥様の雪子さんが発見したキミノオトコヨウゾメから繁殖したものです。
そして、その発見のエピソードが素晴らしいのです!
発見したのは1992年頃で、場所は岐阜県恵那市山岡町の山道沿いだったそうです。
驚くことに、見つけた時にそのオトコヨウゾメは実を付けていなかったそうです。
ただ、芽を見た時に、普通のオトコヨウゾメは赤いのに、その個体の芽は緑色だったので、雪子さんは、“このオトコヨウゾメは普通と違っておかしい!”と思って、持ち帰って圃場に植えたそうです。
そして翌年、黄色い実を付けたのだそうです!
キミノオトコヨウゾメオトコヨウゾメ・左の写真がキミノオトコヨウゾメの緑色の芽、右の写真が普通種の赤色の芽

キミノオトコヨウゾメ・写真提供:山口清重氏

山中で芽の色の違いに気が付く「眼力」と、普通種と異なると思って持ち帰って育てるという「行動力」に感服してしまいました!
植木屋として見習わなければなりません!!
キミノオトコヨウゾメの苗木を1本分けていただいたので(山下信夫氏より)、これから親木として育てて、近い将来広めていきたいと思います。
キミノオトコヨウゾメ※関連ブログ: 「第一回 花木よろずサミット」(こちら

参考:「週間 朝日百科 植物の世界」朝日新聞社、「日本の樹木」山と渓谷社