常緑ヤマボウシ‘月光’の来歴:その1
正確な来歴を記録しておきたいとずっと思っていた常緑ヤマボウシ‘月光’について、作出に関わる安藤敏夫先生(千葉大学名誉教授:花卉園芸学、現ガーデンそよかぜ代表)と山口清重氏(ザ・ヤマグチ プランツマンズ ナーセリー)のお二人から情報を得ることができたので、報告させていただきます。
常緑ヤマボウシ(Cornus hongkongensis)は、中国南部からインドシナ半島のラオス、ベトナムにかけて自生する高さ15mに達する常緑樹で、耐寒性もあって花も美しいことから近年庭木としての人気も高まっているヤマボウシの仲間です。
なかでも栽培品種の‘月光’(Gekko)は多花性で極めて花つきが良く、開花時は樹冠が花で覆われて真っ白になるほどです。
※2018/06/20撮影
この‘月光’は、安藤先生が千葉大学園芸学部在職中に、山口氏と埼玉県川口市のK社のO氏(現在退社)が先生を訪問した際に、園芸学部の農場に常緑ヤマボウシが3本植わっていて、その中の1本がコンパクトで樹形が良いということで、命名して世に送り出したのが始まりとのことです。
‘月光’というネーミングが当たったことと花つきが素晴らしかったことの二つから、非常に高い人気となったようです。
農場にあった3本が、どこからどのようにして入手されたかについては、分かりませんでしたが、“大学に記録が残っている可能性があって、調べれば分かるかもしれない”(安藤先生談)、とのことなので、引き続き調査していきたいと思います。
さらに詳しい情報を得ることができましたら、追ってご報告させていただきます。