ハクウンボク

ハクウンボク(Styrax obassia)が開花しました!
いつもはゴールデンウィーク後に咲くので、今年は例年より一週間ほど早いような気がします。
ハクウンボクハクウンボクはエゴノキ科エゴノキ属の樹木で、北海道中部から九州、朝鮮半島、中国に分布しています。
花は同属のエゴノキ(Styrax japonicus)より一週間ほど早く咲き始め、白い花を20~30個つり下げるのでとても美しいです。
この白花を満開にした様子が“白雲”を思わせるところから「ハクウンボク」と名付けられました。
花が美しいので、公園や庭園などに植えられることも多く、アメリカでは庭木として大切に植栽されています。(アメリカには19世紀末に渡っています。)
また、丸くて大きい葉も美しく、清楚な白い花も好まれて、茶花としても利用されています。
ハクウンボクエゴノキがチシャノキと呼ばれているのに対して、葉が大きいのでオオバチシャという別名があり、この名から学名(種小名)のobassia(オオバチシャ)が付けられています。
ハクウンボクアイヌ民族は、この葉をタバコの代用としていたそうです。
材は将棋の駒を作るのに利用されます。(将棋の駒の生産地の山形県天童市ではハクウンボクのことを「はびろ」と呼んでいます)

以前、小さい苗木のうちからこの花を楽しめないかと、試しにエゴノキに接ぎ木したところ、いくつか活着して3年目には開花しました。
ハクウンボクの利用はほとんどが街路樹や公園樹などで、大きな木で植栽されています。
鉢植えにして、小さな苗で間近にこの素晴らしい花を楽しむことができるようになったら最高です!
またエゴノキに接ぎ木して生産してみるか、思案しているところです…

参考:「樹木大図説」上原敬二著・有明書房、「週間 朝日百科 植物の世界」朝日新聞社