イギリスナラ‘コンコルディア’の育て方と成長樹形
今年のこれまで(2016年9月)の人気ナンバーワンの樹種は、イギリスナラ‘コンコルディア’(Quercus robur‘Concordia’)です。
そのコンコルディアについて、次ぎの三つの質問をよくいただきます。
①育て方の注意点
②成長速度
③成長時の樹形と大きさ
①育て方の注意点について
- 日本のコナラを台木に接いでいて、そのコナラが時々台芽を伸ばしてくるので、見つけ次第除去してください。台芽をそのまま伸ばしてしまうと、コンコルディアの枝が衰弱して、枯れてしまうこともあります。(伸びてきたコナラの枝を付け根から除去)
- 植栽場所は日当たりのよいところにしてください。コンコルディアの魅力である鮮やかな黄金色の葉は、日当たりがよくないと発色しません。日陰に置くと、緑色の葉になってしまいます。
- 土壌に対する要求度は特別高くありません。普通の培養土や畑土で、水はけがよければよく育ちます。
②成長速度について
- 地植えするとよく伸びます。若い時は土壌条件がよければ、どんどんと上長成長して、樹高が高くなります。コナラのようなスピードで成長します。(地植え後、2年で3~5m程度)
- ある程度の高さ(7~8m程度)になると、上長成長から肥大成長に切り替わって、幹が太くなり、樹形が横に広がっていきます。
- ポットのままで育てると、樹高伸長を抑えることができます。2年に1回ぐらいの間隔で大きなポットに植え替えていくと、急激に高くならずに少しずつ幹が太って風格のある樹形になってきます。小さなポットのままだと衰弱してくるので、徐々にポットを大きくして、最終的には直径40㎝程度のポットで育てることがお勧めです。この場合、樹高3~4m程度で維持できます。(地植えした方が健康に育ちますが…)
- あまり大きなポットにしたくない場合は、落葉期に根をカットして大きさをコントールすることもできます。(専門家に任せて実施するのがお勧め)
③成長時の樹形と大きさについて
- 基本的に芯の立ったまっすぐな樹形になります。(幼苗時はクネクネしてなかなか幹が立ち上がりません。そのため支柱が必須)
- 樹高7~8m程度まで伸長し、枝は片側2.0~2.5m程度伸びます。(樹冠幅5m程度)
樹形と大きさは、剪定でもコントロールできますが、自然樹形を維持する「切り返し剪定」を基本として、枝をぶつ切りする「切り詰め剪定」は極力避けるようにしてください。
大きくなってからの剪定は、植木屋さんにお任せすることになると思いますが、その時は次ぎのようにお願いするとよいでしょう。
『柔らかい自然樹形を維持するようにしてください。(基本は切り返し剪定で!)
剪定した時の大きさが、高さ○m程度、枝張り○m程度になるようにしてください。』
※関連ブログ:「イギリスナラ‘コンコルディア’」