樹木のタネ播き
毎年たくさんの樹木のタネを播きます。
樹木のタネを上手に発芽させるコツは、乾燥させないことです。
乾かしてしまうと発芽しなくなってしまうものがほとんどです。
逆に、草のタネは乾燥させないとカビて腐ってしまうので、乾かしてから保存して春に播きます。
クヌギやコナラ、シラカシなどのドングリは、落ちてから二週間も日当たりのよい場所に放置されると発芽できなくなってしまいます。
だいたい落ちてから一週間以内に拾って、一昼夜水に浸けてから播種します。
水に浸けるのは、乾燥して発芽しなくなったものを選別(乾燥したものは水に浮きます)するのと、中に入った虫を退治するためです。
一方、果実の中に含まれたタネは、果肉をきれいに取り除いてから、やはり乾かないうちに播きます。
果肉には発芽抑制物質が含まれているので、きれいに取り除かないと発芽してくれません。
果肉を取り除いて播けるように処置するのがなかなか大変なのですが、これを怠ることはできません。
大抵は水にしばらく浸けて、果肉を腐らせてから除去します。
果肉が腐ったところで目の細かいネットなどに入れて、水を流しながら長靴を履いて踏みつけたりしてタネだけにします。
タネが特に小さい場合は、目の細かいフルイなどを使ってこすり落とします。
果肉に含まれたタネは小さいものが多く、水に濡れた状態だとタネとタネがくっついてしまうので、播く前に半日程度陰干ししてから播きます。
自然界ではなかなか発芽できずに終わってしまうタネが多いのですが、ちゃんと処置して播いてあげるとほとんどが発芽してくれます。