アメリカハナズオウ‘フォレスト・パンシー’の生産に向けて(台木の重要性)
これまで弊社ネットショップで一番人気が高かったのはアメリカハナズオウ‘フォレスト・パンシー(Cercis canadensis‘Forest Pansy’)’です。
紫色のハート型をした葉に女性が魅了されるようです。
ほぼ完売状態で樹形の悪い個体が数本残っているだけです。
現在、再繁殖に向けて準備を進めていて、台木を育成しています。
国内には台木となるアメリカハナズオウの苗を生産・販売しているところがないため(おそらくないと思います)、種を播いて台木を自家生産しているところです。
・育成中のアメリカハナズオウの実生
これまで繁殖したフォレスト・パンシーは、カナダからアメリカハナズオウの種子を輸入して台木を育て、それに接いで作ったものです。
そして、今育てている台木用の苗(上の写真)は、その時輸入した種子から育って大きくなった個体から種子を採取して育てています。
フォレスト・パンシーをはじめとするアメリカハナズオウの品種は、中国原産のハナズオウ(C.chinensis)にも活着しますが、こちらは低木性で株立ち状になる木なので、大木になるアメリカハナズオウを接ぐと、数年後には接いだところで折れてしまう心配があります。
接いだ品種の生長に台木の生長が追いつかないのです。
これを「台負け」と言います。
台負けの心配のない、丈夫で寿命の永いフォレスト・パンシーの生産に向けて、コツコツと台木作りに勤しんでいるところです。
※関連ブログ:「アメリカハナズオウ‘フォレスト・パンシー’」
注:残念なことに中国原産のハナズオウに接いで生産されたフォレスト・パンシーも出回っているようです。
これらが台負けして折れてしまい、“フォレスト・パンシーは弱い木だ!”という悪い評判が立たないよう願うばかりです。
入手される場合は、台木に何が使われているか確認されることをお勧めいたします。