アマミセイシカ(奄美聖紫花)

懇意にさせていただいている千葉県の植木生産者さんから“アマミセイシカ(Rhododendron latoucheae var.amamiense)が満開!”との連絡を受け、早速、見に行ってきました!
素晴らしい花です!
見事な咲きっぷりです!
香りも抜群で、少し離れていても気が付くほど芳香が漂っています。
ミツバチもたくさんやって来ているので、蜜源植物なのだと思います。
この個体は、40年ほど前に入手して、親木畑に植えられているものだそうです。
アマミセイシカ・アマミセイシカの花(手前右下の小さくてまだ開花していないのがセイシカ):2016/4/13撮影

セイシカ(Rhododendron latoucheae)は、中国中南部から台湾を経て、日本では八重山列島の西表島と石垣島に分布するツツジ科の常緑低木~小高木です。
「樹木大図説」(上原敬二著)では、“シャクナゲとツツジの中間型”と紹介されています。
森の中の渓谷沿いなどに生育して、八重山列島の渓谷の春を彩る名花です。
花が清楚で美しいことから「聖紫花」(セイシカ)と呼ばれたとのことです。
その美しさゆえに江戸時代に島から持ち出されて自生個体が激減して、“まぼろしのツツジ”と呼ばれています。
そのセイシカの変種がアマミセイシカで、奄美大島固有のものです。
“奄美大島の南側にある烏帽子山で田代善太郎により発見され、1937年に大井次三郞が新種として発表した”そうです。(「週間 朝日百科 植物の世界」より)
現在は、環境省レッドリストで「絶滅危惧IA類」に指定されていて、“ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種”とのことです。(とても貴重です! 守らなくては!)
アマミセイシカ アマミセイシカ花は3~4月に咲いて、花冠は白色で上側内面に緑色を帯びた斑点があるのが特徴です。
蕾は、ほのかにピンク色です。
セイシカに比べて葉が薄く、葉の先は鋭くとがり、葉の縁は表側に反るので区別できます。
あまりに素晴らしいツツジなので、“是非とも殖やして下さい!”と、お願いしてきました。
アマミセイシカ参考・引用文献:「週間 朝日百科 植物の世界」、「樹木大図説」(上原敬二著、有明書房)

※関連ブログ:「セイシカ(聖紫花)