ナギ(梛)の実生とアレロパシー
昨年(2015年)10月に入手して播種したナギの実生が生長して、ポット上げできる大きさまで育ちました!
ナギは他の常緑樹より1ヶ月ほど遅れて、5月末からポツポツと発芽し始めました。
それからゆっくり生長して、やっと10㎝近くまでになりました。
ナギのように生長の遅い樹木が、他の植物よりもずっと遅れて発芽すると、ふつうは先に伸びている草本類や他の樹木に被圧されて日光を受けることが出来なくなるので、生長する上ではとても不利になります。(生長の早いツル植物は、絡むことができる他の植物が伸びてから、遅れて発芽しますが)
それでもナギが遅れて発芽するのは、ナギがアレロパシー(他感作用)を持っているためだと思います。(ナギラクトンという他感物質)
アレロパシーは、生長が遅い植物が身を守るための武器だとも考えられています。
ナギは、アレロパシーによって他の植物を排除し(林床に下草が生えない)、そして暗い環境でも育つことができる強い耐陰性を備えたことによって、生き延びてきたのだと思います。
奈良の春日大社の裏山にナギの純群落ができたのもその結果だと考えられています。(シカがナギ以外の植物を食べ尽くしたことも大きな要因の一つとも考えられていますが…)
今年発芽したナギの実生は、15㎝程度に育ったら、結婚記念日のプレゼント用の「ナギ・キューブ」(参照ブログ)に植えることができるようになります。
これまで育ててきた苗は、大きくなってナギ・キューブに植えることができなくなったので、大きな鉢に植え替えました。
こちらは来春から、苗木として鉢植えで販売できるようになります。
関連ブログ:「ナギ(梛)の木を結婚記念日に贈ろう!」、「ナギの芽生え」