マルバアキグミの果実
圃場にあるマルバアキグミ(Elaeagnus umbellata var.rotundifolia)が、たわわに果実を付けています。
今年は豊作です!
この木は20年ほど前に、茨城県ひたちなか市の海岸砂丘の中に生えていた個体から採取した種子の実生です。
アキグミが内陸部の日当たりのよい河原や原野に群生して見られるのに対して、マルバアキグミは海岸部にのみ生えている、言わば「海浜植物」です。(アキグミの海岸品種)
果実は食べられますが、生食すると渋みが残るので、果実酒として利用されることの方が多いです。
アキグミもマルバアキグミも、日本では庭木としての利用はほとんどありませんが、アメリカでは賞用されています。
今まで特に増殖していませんでしたが、今年は少し種を播いてみようと思います。
海浜植物は、西日や強いビル風など過酷な都市環境にも耐えて生育できるので、都市の緑化材料として有望だとずっと思っていました。
海浜植物を内陸部に移した時、海浜部にはいなかった害虫(アブラムシやハマキムシ類など)の被害を受けることがよくあるのですが、マルバアキグミはその心配も無さそうです。
果実は直径8㎜程度で、その中に米粒ぐらいの大きさの種子が一つ入っています。
通常の樹木の種まき同様、果肉を全て取り除いて、すぐに土に埋めて、春まで乾かさないように管理します。
※参考文献:「日本の樹木」(山と渓谷社)、「週間 朝日百科 植物の世界」(朝日新聞社)、「樹木大図説」(上原敬二著、有明書房)