チリメンガシ
ウバメガシ(Quercus phillyraeoides)にチリメンガシ(cv.Crispa)という栽培品種があります。
葉の皺が著しく、葉の周囲が内側にそり曲がっている特徴があります。(栽培品種名のcrispaは、「皺のある」という意味)
ビワの葉を小さくしたようにも見えるということで、ビワバガシとかビワガシという別名もあります。
詳しい来歴は分かりませんが、古くからある品種のようで、「樹木大図説」(上原敬二著、有明書房)には次のように紹介されています。
“ビハバガシ(f.crispa Ohwi):
チリメンガシ、ビハガシともいう。葉に皺多く葉縁反曲しビハの葉の小なる如し。野生なし。京都にて庭樹とす。時に一株にウバメガシとビハバガシの両葉を生ずる。これに往々結実するがそれを播くと発生した苗木に両種が現はれる。~中略~一種の枝変りで移行性のものといへる。”
なお、かつてはウバメガシの変種や品種とされていましたが、近年になってウバメガシの栽培品種として定着している、とのことです。
今年繁殖依頼をいただいて接いでみましたが、6割ほどの活着率で苗木が少しできました。