オウゴンカシワ(Quercus aliena‘Lutea’)は、主に西日本に多く自生するナラガシワの黄金葉の品種で、その原木は大分県の山中にあると言われています(引用:「新しい樹種の剪定と育て方」小学館)。
この木は春の新葉の展開が見事で、黄金色の新しい葉と、同時に伸びてくるひも状の花序に咲く黄色い花が鮮やかでとても綺麗です。
オウゴンカシワ
オウゴンカシワ
この美しい黄色は最初の1ヶ月程度で、あとは黄緑色に変わって、夏の間は緑色になります。
そして、秋の紅葉のシーズンに再び鮮やかな黄色に替わって落葉します。
オウゴンカシワ繁殖は専ら接ぎ木で、大抵はミズナラに接ぎます。
ところが、この接ぎ木が極めて難しく、接ぎ木をやる職人の前に大きな壁として立ちはだかっています。
成功することなく諦めて辞めてしまった職人さんがほとんどだと思います。(大げさではありません)
私の師匠は、接ぎ木のシーズン少し前から毎週母樹の幹肌にナイフで傷を付けて、その回復状況を観察しながら接ぎ木の適期を探ったこともあった、と話していました。
私も執念深く何年もチャレンジしていて、接ぎ木に関するたくさんの文献を漁ってみたり、戦後まもない頃の接ぎ木研究の盛んだった当時(食料供給のための果樹等の研究)の論文を大学の図書館から取り寄せて参考にしてみたり、考えられる様々な方法を試みて、何とか3割程度まで活着するようになってきました。
しかし、このレベルでは不合格です。商売にはなりません。
オウゴンカシワこの難しい品種の接ぎ木方法を同じ茨城県内の研究熱心な生産者がついに解明して、その方は9割の活着率を達成しています。
そこまで辿り着くのに8年を要したそうで、ありとあらゆる方法を試したとお話されていました。
4月後半になって駄目だった結果が分かって、肩を落とすことを繰り返してきたそうです。
今、市場で流通しているオウゴンカシワのほとんどは、この方の生産によるものだと思って間違いありません。
オウゴンカシワ2年前にこの方にお目にかかってお話を伺った時、もちろん苦労して解明された方法についてはお聞きしませんでしたし(大事な企業秘密です)、その方もお話されませんでした。
ただ、いくつかヒントを下さって、その一つに“とにかくよく観察しなさい”というものがありました。
このヒントを手がかりに、その後の2年間観察し続けてみました。
その結果、ある特徴を見いだすことができました!
今年はその特徴を活かす方法を加味して接いでみました。
まだはっきりとした結果は出ていませんが、今のところ接いだ穂木の芽がどれも膨らんできて調子が良さそうです!(狸の皮算用にならなければ良いのですが…)
いずれにしろ、結果が判明しましたら、またブログでご報告させていただきます。
オウゴンカシワオウゴンカシワは、植木を扱うプロの生産者も虜にしてしまうほどの魅力的な樹木です。
特徴的な葉と花が美しいだけでなく、成長はゆっくりで、病虫害もほとんどなく、とても育てやすい木です。
少しでも興味のある方は、是非とも入手して育ててみて下さい!!
絶対に後悔しないと思います!!

※関連ブログ:「オウゴンカシワの秋の黄葉」(こちら)、「オウゴンカシワの花