今は花の時期ではないのですが、お問い合わせいただいたのでピンクの花のエゾノウワミズザクラをご紹介!
エゾノウワミズザクラ(Prunus padus)は、ユーラシア大陸北部の温帯から亜寒帯に広く分布し、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア等の北極圏にも生育し、日本では北海道の山地に自生するサクラの一種です。
英名は「Bird Cherry」で、果実に苦みがあるためロシア等では食べられたが、西ヨーロッパではあまり食べられずに、苦みを感じない鳥の餌にされたことに由来するそうです(Wikipediaより)。
北海道では8月に成熟し、アイヌ民族は生食し、また、樹皮に臭気があることから戸口に立てて病魔を防いだと言います。

このエゾノウワミズザクラのピンクの花の品種が‘Colorata’(コロラータ)です。
Colorata(コロラータ)とは、“色のついた”という意味で、普通種が白い花なのに対して、ピンク色の花を咲かせるのでこの品種名が付けられたのでしょう。(‘ロゼア’とも呼ばれているようです)
この品種は、1950年代にスウェーデンで偶然発見されたもので、現存するものは全てこの時の個体からのクローンです。
花がピンク色なのに加えて、芽出しがやや銅葉なのも大きな特徴です。
とても魅力的な樹木で、英国王立園芸協会(RHS)の評価も高く、1974年からこれまでに3回も賞を与えているほどだそうです。
日本には数年前に入ったばかりの比較的新しい品種で、まだ流通量は少ないです。

圃場には、千葉大名誉教授・故横井政人先生からお譲りいただいた1本のみがあって、まだ繁殖に取りかかっていません。
少しよい枝が伸びてきたので、来年から生産を開始してみようと思っています。
エゾノウワミズザクラ‘コロラータ’ エゾノウワミズザクラ‘コロラータ’ エゾノウワミズザクラ‘コロラータ’・今年(2015)4/28にハウス内で開花した時に撮影

エゾノウワミズザクラは元来北方の植物なので、基本的には冷涼な地域が適地です。
ただ、夏場40℃近くになるハウス内でも元気に生育しているので、夏の強い西日を避ける場所に植えてあげれば、温暖な地域でも問題なく生育してくれると思います。

※関連ブログ:「エゾノウワミズザクラ‘コロラータ’開花!

参考文献:
「樹木大図説」上原敬二著、有明書房
「週間 朝日百科 植物の世界」朝日新聞社
「植物学名大辞典」万谷幸男編、植物学名大辞典刊行会