エゴノキの園芸品種①:ベニバナエゴノキ(ピンクチャイムス)
エゴノキ(Styrax japonicus)は雑木林に普通に生え、日本では山の木としての認識が強いようですが、欧米では魅力的な「花木」として人気が高く、お庭に好んで植栽されています。
そのエゴノキにはいくつかの園芸品種があって、どれもとても魅力的です!
これから5回に分けて以下の品種を紹介していきます。
①ベニバナエゴノキ
②シダレエゴノキ(ベニバナシダレエゴノキ含む)(こちら)
③イッサイエゴノキ(こちら)
④ガンボクエゴノキ(こちら)
⑤エメラルドパゴダ(こちら)
ベニバナエゴノキ(Styrax japonicus‘Pink Chimes’)
ピンクの花を咲かす園芸品種で、別名「赤花エゴノキ」とも呼ばれています。
若いうちからピンクの花をたくさん咲かせるので、見事です!
母樹は秩父の山中で発見されたと言われていて、その実生から色の濃いものが選抜されたようです。
はじめは盆栽用に栽培されていたのですが、地植えしてみると庭木としても優れているということが分かって、本格的に生産が始まったようです。※
近年‘ピンクチャイムス’とも呼ばれていますが、これはアメリカ人でアジア(特に日本と韓国)の植物研究家のBarry Yinger氏がアメリカで命名し、その名が日本に逆輸入されたようです。
(我々植木屋は今でも「ベニエゴ」と呼んでいますが…)
繁殖は挿し木と接ぎ木が可能ですが、繁殖方法の違いによって、成長の仕方が大きく異なります。
挿し木繁殖した苗は、幹がなかなか立ち上がらず、クネクネとしてよい樹形にはなりにくいです。しかし、台芽を伸ばしてくる心配はありません。
一方、接ぎ木繁殖した苗は、素直によく伸びる枝が出てくるので、放っておいても良樹形に育ってくれます。成長も早いです。
ただ、台芽が伸びてくることがあって、それを放置しておくと、接いだ枝が弱ってしまうので、見つけ次第取り除く必要があります。
お薦めは接ぎ木繁殖した苗です!(樹形が全然違いますよ-!!)
購入する時は、どのように繁殖された苗かチェックすることをお勧めします。
今年、久しぶりに接ぎ木してみました。
大きめのポットでみっちりと育ててみたいと思っています!
※参考:「新しい樹種の剪定と育て方」小学館