マツの園芸品種
マツの園芸品種といっても、マツ科マツ属のアカマツ、クロマツ、ゴウヨウマツの品種だけで300種以上あるそうです。
盆栽愛好家を中心に、実生変異や枝変わりなどの突然変異などによって変化したものを、先人達が見い出して園芸品種の名を付け、大事に育て継承してきたものがほとんどです。
しかしながら、文献にはその存在が記載されているものの、すでに絶滅してしまった品種や、全く存在の情報がなくなって忘れ去られている品種も数多くあります。
特に、日本家屋(和風住宅)から洋風の住宅に変わってきて、和風のイメージの強いマツが庭木として人気がなくなってきたことが大きな原因の一つのように思います。
また、手入れが大変だと思われていることもその理由の一つだと思います。
マツの園芸品種は、「松図鑑」(小林義雄他著)によると次のような特徴で分けられています。
①樹形に特徴のあるもの:枝垂れ、多形(根元近くから多くの幹が箒状に立つ)、石化、など
②樹皮に特徴のあるもの:樹皮が厚く割れ目が出る、樹皮が厚く深く裂ける、など
③葉に特徴のあるもの:斑入り、カラーリーフ、通常の二針葉が一本または三本、葉がねじれる、葉が短く密生する、など
④球果に特徴のあるもの:球果が多数かたまってつく、など(ハバチの寄生が原因か)
これらのうち、盆栽に興味がなくても、「葉に特徴のあるもの」は純粋に園芸品種として鑑賞価値が高く、また、それほど手を掛けなくても良い状態で維持できる魅力的な品種が数多くあります。
そんな魅力的なマツの園芸品種にもう一度スポットを当て、広めていきたいと思い、繁殖して販売していく予定です。
以下の写真は、現在繁殖して育てているマツの園芸品種です。
(クロマツ‘紅孔雀’、オウゴンクロマツ、シラガクロマツ、ジャノメアカマツ、アカヒトハノマツ、ジャノメゴヨウ)
※絶滅してしまったと思われる“シダレジャノメマツ”の復活を目指して、シダレアカマツとジャノメアカマツを交配して、育種にチャレンジしてみようと思っています!
※関連ブログ:「冬に鮮やかに色付くマツの園芸品種」、「珍品! 石化黒松(セッカクロマツ)」