「台湾・合歓山植物観察ツアー」報告-その3:トックリキワタ
台湾の道路緑化もずいぶんと進んでいて、主要な道路はほとんど街路樹が植栽され伸び伸びと育っていました。
台風の影響を強く受けるのに、しっかりと根を張って力強く枝を伸ばして、歩道に緑陰を作っていました。
そんな中、時々ピンクのよく目立つ花を咲かせている木を見掛けたのですが、近づいてよくみるとトックリキワタ(Chorisia speciosa)という南アメリカ中部原産のパンヤ科(アオイ科とも)というバオバブと同じ科に属する樹木でした。
アルゼンチンからブラジルにかけて分布する樹木です。
花がとても綺麗で、台湾では「美人樹」と呼ばれています!(素敵な名前~!)
木の幹が膨らむのでトックリ(徳利)、そして種子には白い綿毛がたくさん付いているので、トックリキワタと日本では呼ばれています。
実際、この綿毛は布団綿や枕の詰め物に使われ、昔は救命胴衣やブイの浮き材としても重用されたそうです。
そして、アメリカの先住民は矢を防ぐチョッキにもこの繊維を使ったそうです。
(ただ、台湾では綿毛が道路に落ちて汚れるので、少し問題になっているようです。)
あまりに花が良いのですっかり気に入ってしまいました!
沖縄などではすでに街路樹として利用されています。
耐寒性が気になったのですが、浦安の東京ディズニーランドにも植栽されていて、問題なく冬を越しているそうです。
温暖化が進んでいるので、都内では生育できそうです。
ということで、生産をスタートさせることを決めました-!
この木は花の色や花数に個体差があるので、性質のよい個体から挿し木や接ぎ木で繁殖するのがよいようです。
沖縄では性質のよい個体がすでに選抜されています。
早速台木の実生繁殖の準備を進めて、良個体の接ぎ木繁殖に取り組みたいと思います!
参考:「週間 朝日百科 植物の世界」朝日新聞社
※関連ブログ:
「台湾・合歓山植物観察ツアー」報告-その1(こちら)
「台湾・合歓山植物観察ツアー」報告-その2:高山植物
「台湾・合歓山植物観察ツアー」報告-その4:台湾の植木の里・田尾郷
「台湾・合歓山植物観察ツアー」報告-その5:台北の日曜花市